アルバイトを始めたきっかけ

2016年春。僕は阪大に現役合格しました。実家を離れ、初めての一人暮らし。

大学近くのワンルームを契約した日、親は「お金のことはあまり気にせず、しっかり勉強するように」と言ってくれました。しかし僕は、正直、親にあまり負担をかけたくないという気持ちがあり、早くアルバイトを見つけるつもりでした。ところが、知らない土地、新しい環境、慣れない一人暮らしでアルバイト探しの余裕はなく、あっという間に1回生の前期テストを迎えていました。

前期の一般教養の授業で同じ班になった女子3人に「バイトしてる?」と聞くと、「服が好きだからアパレルでバイトしている」「私は飲食。まかない目当てで応募した」「コンビニの夜間やってる」と色々教えてくれました。

別の授業で隣に座った山本くんに「アルバイトしてる?」と尋ねると「塾講師をしているよ。家のすぐ隣が塾で、外の張り紙を見て応募したんだ」と、塾講師の仕事について説明してくれました。
「確か吉田の行ってる塾がまだバイト募集してるって言ってたような気がする」と、授業が終わったその場で吉田くんに確認してくれ、食堂で吉田くんも交えて話しを聴くことに。
「阪大の周辺の教室はバイトが十分にいて、伊丹とか川西とか離れたところのバイトだったら募集しているよ。確認してみようか?」とにかく早くアルバイトを見つけたかったのでお願いすると、すぐに塾に電話してくれ、後日、バイトが足りない伊丹教室で面接を受ける段取りになりました。

伊丹教室はJR伊丹駅の近くで、僕は交通費を節約するために自転車で片道20分かけて行きました。面接官の教室長は50代のおっさんで、面接中はネチネチと「挨拶がなってない」「最近の若いやつはマナーを知らない」「アルバイトだからって手抜きしないで欲しい」などと言われ、正直『ここで働くのは嫌だな・・』と思いましたが、面接後、学生アルバイト(一つ年上の先輩)が「教室長はいつも誰にでもあんな感じだから気にしないで」と、缶コーヒーをくれました。

それでもあれだけ言われたら面接は不合格だろうと覚悟していましたが、数日後に採用の電話があり、伊丹教室で働くことが決まりました。