社会人戦士の休日~甲子園参戦記~

ある日、年上後輩さんと甲子園球場へ野球観戦に行った。
僕自身はあまり野球に興味がなくわざわざ球場に行くようなことはしたことがなかったのだが、
ライブとかフェスみたいなもんですよ、
みたいなことを言われて一度行ってみることにした。

その日は阪神対広島、
前日までは広島が2連勝しているという。
だったら今日も広島の勝ちか?と思っていたが、
年上後輩さん曰くそんなに単純なものじゃないという。ちなみに、今回は広島側からの参戦になった。

球場に着いた段階でたくさん人が集まっていて確かにフェスみたいな雰囲気。
強いて違うと言えば、押し球団が違う人たちが集まっているということで対立構造があるということか。
たくさんの人が集まっていると圧がすごいな。

始まってすぐに広島が一点を先守、しかしその後は続かず拮抗状態のままになった
途中で阪神側が大量得点。失望した雰囲気が流れる中、応援団は懸命に応援歌を吹き続けている。

途中何やら訳ありげなお兄さんが席につかずに階段に腰掛けて試合を眺めていた。
尋ねると、奥さんの家族は皆阪神ファン、そのため阪神側の席にいたのだが、
負け越してきてたまらずにこっちにきてしまった。とやや酒の入った調子で語っている。
しばし、一緒に応援していたが、警備員さんにたびたび声をかけられている。
トラブルの防止のためか、基本的にチケットで購入した席に座るのがルールらしく、
しばしの応援ののち、お兄さんは悲しそうに席に帰っていった。

その日、広島は大敗となってしまった。
年上後輩さん曰く、「今日は捨て試合だったのかな」という。
そういうもんなのか、
選手を休ませたり、勝ち点に差があったりするとそういった調整もあるらしい。

とはいえ、でかい声で叫んだり、応援したりして、声はガラガラになった
ビールを売りにくる売り子さんにも大変そうだったが、おかげで生ビールも飲めた。
社会はいろんな仕事とたくさんの人でできているのだなと、体感した新しい体験だった。